2015年02月04日

NO202.償う事と許された歓び…

NO202.自覚と深呼吸6回の秘密…

1月28日 福岡では最初の桜が咲きました。
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福津の宮地嶽神社の本殿横の桜です。
春の足音が聞こえるようで、何やら良い事がありそうな予感がしておりました。

※今回のお話は、前提条件として、言語理解が出来ているお友達の場合であるとご理解下さい。知識的にも知能的にもかなり恵まれているお友達の事例で、言語習得に問題があるお友達の事例ではございません事をご留意ください。

何でも許されるのか…

昨年12月初旬のある日、思うに任せずあるお友達が、指導中に癇癪(かんしゃく)をおこし、大声をあげ、課題を放り出しました。

自閉傾向の強いお友達が何らかの問題に遭遇した時、奇声をあげる事がありますが、今回の場合は、知能的にも高く、1年以上をかけて行動抑制を行い、良い事、悪い事を習得した上で、お友達自ら状況判断も出来うる力を獲得した上で、自制心を開放したパターンであり、ご両親からご家庭で軽い癇癪を起す事はお知らせ頂いておりましたが、その行動に確信的な悪意を直観的に感じましたので、その行動が如何に愚かな事か説明したうえで、安易に許す事はせず、暫く厳しい対応を取る事と致しました。

そうです。謝っても簡単に許す事を良しとしなかったのです。

体を思震わせる程の怒りの表し方で、お友達は怒りを抑える事ができず、激情型の行動を起こしたのですが、その行動の根底には、「いつでも許される」「謝ったら許してもらえる」「やり直しが出来る」という事が見え隠れ致しました。

その後、保護者に確認をすると、数日前から、家庭でもお父様と課題をしている段階で、間違いに癇癪を爆発させお父様から諫められたというお話で、その後も祖父の家で思うようにならない時に癇癪をおこし、祖父からは厳しく叱責されたとの事で、癇癪も常態化しつつある事、何をしても許されるという環境からの行動ではないかと考え、いくら謝っても許す事は致しませんでした。

謝る→許されるこの構図に問題が…
何をしても許されるのではない事を理解させる事が大切であると考え、その後顔を見るたびに、簡単に許される事はない事を繰り返し、繰り返し話聞かせ、信用が無くなった事、同じ信用を得るには、多大な時間が必要な事、行動を悔い改めなければならない事を話きかせました。

保護者の了解の上ではありましたが、結果的に8週間の間、厳しく接する事となり、態度行動が大幅に改善され、騒ぐこともなくなり、静かに落ち着いた行動が出来るようになった1月29日、癇癪を起こしてから実に56日後、ようやく許してあげる事が出来ました。

それまでは他のお友達と同じ扱いも致しませんでした。そして癇癪をおこした行為を嘆き、悲しみ、世の中には許されない事がある事を話し続け、自分の気持ちをコントロールする事、カッとなってする行いの愚かさ、何よりも落ち着いて物事を考える必要性を説きました。

カッとなったら深呼吸…
自己抑制をするという事は、我慢をするという事、忍耐力を養うという事、後先考えぬ行動を止める事が大切で、最も簡単な解決方法は、深呼吸を6回する事でクールダウンする事が出来るのです。

多くの場合3回もすると治まり、冷静に考える余裕が生まれます。目をつむり、鼻から深く息を吸い込み、鼻から息を吐くこれだけで魔法がかかります。

何があっても動じない心は深呼吸に秘密があったのです。

世の中には許されない事がある
カッとなって人を暴力を振るってしまった。人を刺してしまった、首を絞めてしまった。階段から背中をついてしまった…皆、そんなつもりはなかったけれど、結果的に人生を破壊するほどの事故に繋がる事起こります。

癇癪を起す原因は、自制心を持っているか否かによりますが、心をコントロールする術を身に付けない限り、困難な事案に出くわした時に多くの場合暴力となってその子の人生を破壊します。

感情をコントロールする事も大切ですが、事実を認識して行動を抑制する事も大切なのです。〇〇するとおまわりさんにつかまるよ…も同じ例えです。怖い人には逆らわないのは人間が本来持っている自己防衛本能です。例外的に窮鼠(きゅうす)猫を噛むという事もありますが、本質的に避けるのが自然です。

過ちを何でも簡単に許してしまうと、いつでもやり直しが出来ると思い込むお友達もおり、そんなお友達がその後大きな問題を引き起こす事にもつながるのではないかと考えます。また事後どうなるか想像できるか否かにでも行動抑制が違ってきますので、事の顛末を理解させる言葉がけなども大切な要因になってくると考えます。

問題行動を起こしたそのすぐあとから「ごめんなさい」と殊勝な面持ちで何度も謝ってきても我慢する事も大切なのです。通例自分がした事でこのように長期間辛くあたられる事はほぼありませんが、お友達の為に許す事は致しませんでした。

3日たち、1週間たっても、許されず、「もう二度としない、してはならない。」と心に染み込むまで保護者と相談しながら様子をみておりました。

年が明け、態度もあらたまり、徐々に以前と同じように接しても、許しはせず、お友達の態度を見ながらの日々が続きました。そして十分償ったと判断し、8週間後ようやく「君を信用するから、また一緒に頑張ろう。」と頭を撫でた時の嬉しそうな顔は何とも言ぬ晴れ晴れとしたものでした。

彼は十分後悔し、そして態度をもって償ったのです。おそらく2度と同じような癇癪は起こさないと思います。彼の人生の中で最も辛い8週間を経験が、今後の彼の行動を抑制するキモとなるのです。

我慢しなければならないと本人が自覚する以外に本当の解決方法はないのです。自発的な行動抑制がその後の豊な人生を獲得する切符になると私達も確信しています。

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ようやく許された当日の記念の1枚です。ニコニコ笑顔が伝わりますか?

許された日の帰り際に、先生といって幼稚園で作った手作りのパンをそっと手渡してくれました。勿論ニコニコ笑顔です。

このパンのおいしかった事といったら…教師冥利に尽きる最高のプレゼントでした。

今回のお話は誰にでも該当する対応ではありませんが、高知能のお友達であったからこその対応事例ですので、誰でも当てはまるものではありませんのでご注意下さい。
ラベル:魔法の療育
posted by キー先生 at 02:11| 35.接し方の大切さ | 更新情報をチェックする
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