2015年03月08日

NO227.出来ない事ばかりが気になると

NO227.心配し過ぎは制約を生む

保護者心得  【言語】  【ダウン症】  【自閉】  LD  【多動】  【注意欠陥】

毎週沢山の方々とご面談をさせて頂いておりますが、お子様の出来ないという問題にばかり目に入り、ネガティブな雰囲気を作り上げてしまわれているような、保護者の方々と出会う事があります。

〇〇が出来ないんです。
標準的な成長から遅れているんです。

多くの場合は言葉に関してのご相談が多いのですが、「標準」という呪縛にとらわれてしまい出来うる空気感をわざわざ自ら壊してしまい、子ども達の成長に制限を掛けてしまっているような事例に良く直面します。

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例えば、年少といっても生まれつきの差は実に12カ月あるのですが、「標準的」というおおまかな目安を信じ込んでしまい、第3者からみても些細な事と思えるような問題を大きくとらえてしまい、自信を無くしてしまうような雰囲気を醸し出してしまう保護者の方がおられます。

例えば同年代とされるお友達の誕生日は、4月2日から翌年の3月31日までが同一学年となり、その差はきっちり12カ月365日あるのです。※4月1日は前の学齢となります。

雑誌等に掲載されている標準的というのはあくまでも、平均値ですが、その平均値も指導者等の感覚で記載されていたり、調査された被験者数も大よそで、非常に不確かな物であることをまずご理解頂きたいと思います。

4歳1ヶ月で出来る事と、4歳11カ月で出来る事は抜本的に違うのです。まずこの点をご理解頂きたいと思います。

身体的にも、同じ生まれ月であっても、身長も体重も違うように、全ての面において異なる存在である事と十二分に理解した上でお子様を暖かな目で見つめて頂きたいと思います。

「〇歳〇ヶ月になったので、〇〇出来なければいけないのに、駄目なんです。」ご相談の8割近くはまあまあ、そう神経質にならずにと思えるような内容が殆どです。

ちょっと待つと出来る事は沢山あるのです。
ちょっと後押ししてあげれば獲得出来る能力は沢山あるのです。

多くの方々が性急過ぎなのです。
一般的認識として言われているのが「個性が大事」とか、「人それぞれ」とか言っている割にわが子の事になると話が別になってしまわれます。

物事を性急に求めすぎており、じっと待つ事や、見守る事、促す事が出来なかったりされているのです。今出来なくても2ヶ月後、4ヶ月後、1年後にはきちんとできていれば良い事なのに、今出来ない事に悩み、頑張ろうという芽を潰してしまわれている事がよくあります。

〇歳〇ヶ月だから〇〇出来なければいけない…と考えるのではなくて、〇〇出来るようにどうするかを考え取り組む事が大切なのです。

心配し過ぎていると、暗くなります。ちょっとした事でも微笑む事が出来なくなります。環境が大切と一般で言われているのは正しい事で、同じ努力も、怒られながらするのか、応援されながらするのか、ひとりでトボトボするのかで達成度もスピードも異なってきます。

会社等を再生しようとするとき、暗〜く、どんよりとした空気の中で取り組むのと、明るく元気に取り組むのでは自ずと結果が異なるのはどなたでも理解できると思います。

コーチングの仕方でも同じなのですが、出来ない事ばかり、ネチネチいわれるのと、出来る事をドンドン伸ばしながら、問題に挑戦するのとでは、全く違った結果が導き出されます。

そして何より物事には勢いが大切で、出来ない事を掘り下げるとそこで動けなくなってしまいますが、あれも出来る、これも出来る、あっちも出来るようになったから、抱えていた課題もクリアー出来ると思って取り組むと、あっさり出来たりするのです。

暗い雰囲気より、明るい空気。
出来ないを断定するより、出来ると予測する。
希望的観測は大切なのです。

何とかなるさと思う事も時には重要なファクターであるとご理解頂きたいと思います。

トロッコ列車と新幹線
A地点からB地点、同じ移動をするのであれば、金額の問題もなく、設定に違いがなければ、遅いより、早い方がいいに決まっています。私達は小さい時から競争社会の中で成長してきたので、感覚的にそう思ってしまいます。

早い方が凄い、遅いのは悪いという概念も療育支援には問題なのです。

そして新幹線のような移動速度が見込めない場合、多くの方がトロッコ列車から降りてしまうのです。

トロッコ列車でも、時間はかかりますが、目的地に到着する事が出来るのです。目的地に到着してしまえば、開花する能力は更に広がるのです。

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JRに青春18きっぷという物があるのですが、昔のイメージで書きますが、福岡・東京間が新幹線で往復4万円位のとき、時間はかかるのですが7000円程度で往復できる切符があったのです。勿論在来線を使っての移動で、早朝から深夜まで2日近くかかったのではないかと記憶しているのですが、2日かければ東京に行くことができたのです。

トロッコ列車は上記の在来線のローカル電車としてお考え頂ければと思いますが、時間と、乗り継ぎの手間はかかります。体力も消耗するのですが、遅くても着実に目的地に達成できるのです。

達成出来る事が大切で、今出来ない事を嘆くのはお止め頂く方が良いのです。

私共の法務顧問は、中学まで体が弱くて学校にも行けず、高校もいけぬままでしたが、30歳まえに大学に進学し、弁護士になられた方がおられます。

ご指導頂いた教授は小学校まで昔の養護学級に行かれておりましたが、読んだら忘れないという才能に気付き、今では国立大学の名誉教授をされています。

今出来ないより、出来た方が良いのはわかりますが、後で出来ても良いのです。

ご主人が病気になり、初めて癌と対峙され、35歳過ぎて大学に進学されて女医として活躍されている方もおられます。

私の申し上げている到着とは、このような意味です。

言葉の習得が今遅くても、諦めずに支援し続け、何年か経ってでも結果的に獲得できれば、お友達の世界を拡げる事が出来るのです。自立出来る事が可能なのです。

今を嘆くのを止め、決して立ち止まらず、前に向けて到着を目指せばそこに未来があるのです。標準という言葉は捨てて下さい。今を悲しむのではなく、未来を見続けましょう。

心配しても良い事はありません。努力し続ける事こそ未来を切り開く鍵です。


ラベル:魔法の療育
posted by キー先生 at 10:00| 14.制限を忘れて… | 更新情報をチェックする
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