2016年10月17日

NO.362 叱った事がない!?(加筆・修正)

NO.362 成長出来ますか?

保護者心得【自閉】LD【多動】


表情カード_怒った顔.jpg


療育相談をさせて頂く中で、半年から1年に1組「私は子どもを絶対に叱りたくないし、叱った事もないので、他人に叱られるのも、厳しい指導も困る」と言われる保護者の方がおられます。

その考え方もわからないではないのですが、お子様の状態が思わしくなく、お子様に対しての接し方が余りに、現実離れしすぎ、理想は唱えられていても、周囲にも迷惑をかけてしまったり、出来うることを投げ出してしまっており、そのような対応をされている場合、実際は問題山積の状態となっておられるのが実情です。

優しく促す事で指示が通り、問題がクリアーされるのであればそれが一番であり、とても理想的な支援方法だと思います。

COMPASSでも、人間関係の樹立が整い善悪判断も出来るようになり適切なモチベーションを持つことが出来るようになった段階で、ある程度意味を解し指示を理解する能力が備わってから、困難な課題に対して、叱る事なく達成できるよう、実践支援を試みておりますが、この取り組みは、現段階では残念ながら全ての子ども達に適合できる支援方法ではないかも?と考えており、適正な成長効果を得るには、上記の前提条件が必須ではないかと類推しております。

別に叱るののも、厳しい指導をするのも好きではありません。
優しく促す事で指示が通るのであれば、それで十分と考えます。
しかし、理想と現実は乖離しており優しい対応だけでは解決できない事案がある事をご理解頂きたいと思います。

優しい指導は大切ですが、時と場合により接し方を変えなければ、新しい力を育む事が出来ないという事もご理解頂きたいと思います。

例えば、
問題があると、直ぐに投げ出してしまう。
困難に遭遇すると手当たり次第に、物を投げる。
人に暴言を吐いたり、他害行動がある。
問題を内包しており、自傷行動がある。
突然奇声をあげたり、人に詰め寄ったり等、相手を驚かせる。
人の物を勝手にとったり、触ったりする。
誰かれ構わず、抱き着いたり、触ったりする。etc


上記の問題が、優しく「やめてね…」とか、「頑張ろう…」だけで解決すれば、それが一番良いのは私もわかっていますが、そうでない場合どうするのかが問題です。

何をしても良い、全てが許される環境だと、困難や課題を乗り切る力を育む事が出来ず、成長が止まってしまうという事も事実です。

時には激を飛ばす事も必要ですし、褒めたり、お子様の様子を観察しながら、応援したり、出来るまで待ってみたり、暖かく抱きしめたり、冷たく突き放したり、緩急つけながらの支援が大切であると考えており、その中で、悪い事は悪いと理解させたり、がっかりして見せたり、驚いたり、悲しんだりの繰り返しの中で、子ども達の心の中に、「出来た」という気持ちと、「大丈夫」という安心感、「忍耐強く取り組む力」や「流されない心」を育む事で困難を乗り切る力を養う事が出来ると考えております。

何が良くて、何が悪いのか、こうすると褒められて、こうだと悲しんだり、叱られる。事の善悪を理解させ、出来る事を増やしながら、行動抑制が出来るように支援し続ける事が大切であると考えます。

言語の問題のあるお友達に、言葉の指導をするのは、可哀そうと言われる方がおられますが、一生コミュニケーションが取れない状態の方がもっと辛く悲しい人生を送る事になるのは自明の理です。柔軟な時期に、少しでも言葉を獲得できるよう、辛くても頑張らせる事が大切であると考え私達は支援し続けております。

「可哀そう」というスタンスと、「叱らない・厳しさは必要ない」という考えは、将来に対してとても無責任であり、そのような状態のまま成長されると、手におえない問題を発生させると確信しております。

成長するには、厳しい試練を乗り越えなければならないのです。楽しい事ばかりではない事を私達は長い経験の中で知っていると思います。

繰り返しますが、優しさは大切ですが、優しいだけでは成長は得られないのです。

辛い問題を乗り越えた時に、初めて味わう心の満足感や達成感が得られるのではと考えます。

1事例ですが、雨が降ったら、知らない人に「傘かして…」と詰め寄るお友達がおりました。小さい時は良かったのですが、体も成長し、髭もはえ、身長の170センチを超えてたある日、母親とスーパーに買い物に出たときに、急に雨が降り出して、知らない女の人に「傘かして…」と詰め寄り強引に傘を引っ張り女の人が悲鳴を上げられ大騒ぎになったたという事件がありました。

私が指導に入り、人の物を勝手に触っては駄目なこと、知らない人に言うのは迷惑だという事を諭し、緩急つけて、ちょっと魔法をかけただけで、二度と言わなくなったという事があります。

それまで、誰もそれが迷惑な事であると教えていなかったのです。人が嫌がる事だと理解していなかったのです。厳しめに指導しましたが、その後は雨が降ってもご両親も安心して一緒に出掛ける事が出来るようになられています。

どっちがいいでしょうか?

お友達はもっと成長します。男の子から男性へと成長します。その時突然あたなの前に「傘かして…」と立ちふさがったらどうしますか?刑事事件になる可能性だってあるのです。

叱るのは、厳しい指導は可哀そう、トラウマになる・PTSDになるから…などと言われる方もいらっしゃいますが、刑事告訴されて収監されるのと、厳しくとも駄目な事は駄目だと教え、その後の安心を得る事のどちらを選ばれるでしょうか?

傘かして…に近いもので、多いのが、「携帯貸して…」です。私は、「嫌だ」とはっきり教えるようにしています。ちょっと魔法をかけると二度と言わなくなるのです。ぶったり、叩いたりするわけではありませんが、言わなくていいようにしたり、言う事が恥ずかしい事であると理解させれば、言わなくなるのです。
問題を先送りにして、失敗されている事例を山のように知っています。

火がくすぶっている時であれば、消す事は簡単なのですが、燃え広がればなす術がないというのが現実です。

問題はその場で対処するのが一番で、必要があれば、厳しい対処もお子様の為に必要であるとご理解頂きたいと思います。

問題を多く抱えているお友達に対して、優しく促すだけで全てが解決したという事例は私が知る限りございません。そんな事例があるのであれば教えて頂きたいと思います。

そのような考えは全て夢幻であり、お花畑のお話で、お子様の為に、心を鬼にして戦わなければ将来の安寧はない事をご理解頂ければ、さらに将来の道が拓かれると断言致します。

最後に、「叱るのは…厳しい指導は…」と言われる方の、様子を見ていると、お子様には優しいのかも??しれませんが、同伴の家族への対応や、私達に対しては強引で、少々攻撃的で、お考えを私達に押し付けようと脅したりすかしたりと交渉を行われます。

何とも不思議なものです。
療育相談で一つお願いしたい事がございます。
私達は、少しでもお子様の問題を解決に導き、ご家族を笑顔に出来ればと思って取り組んでいるのであって、相談者の高尚なお考えを拝聴する時間をさく事は本意ではございません。

私共をお訪ねになるのではなく、どこかの学会で、素晴らしいご意見を発表される事をお勧め致します。

寒い冬があるから、春の息吹を楽しみ、夏の暑さがあるから、秋の心地よさがわかるのです。

忘れないで下さい。厳しいさがあるから、優しさを知るのです。
ラベル:魔法の療育
posted by キー先生 at 20:44| 35.接し方の大切さ | 更新情報をチェックする
100.jpg