2014年07月05日

NO113.お話の仕方

私達大人でも、人前で話すのを困難に感じる方は少なくありません。対人恐怖症等も、その根底にあるのは、恥ずかしい、失敗出来ないという気持ちで、上手く気持ちを表現出来ない事がその最も大きな原因の一つになります。

大昔のお話です。英語の弁論大会に出た少年がおりました。初めて英語の指導を受けた先生と相性が悪く英語は大嫌いでしたが、少年はどうしてもその大会で成績を収めて海外旅行に行きたかったのです。

どうしても憧れのアメリカに行きたかったのです。be動詞もなんたるかすら理解できていなかったその少年はどうしたかというと、まず@日本語でしっかりと作文を作りました。A国語の先生に添削してもらい、何度も何度も書き直しました。

今だったら、ネットの翻訳機能等をつかってささっと英語になおすところですが、40年近く前にはそんな便利な物はありませんので、B学校の先輩を頼ります。

あらかた出来た段階で、C英語の先生にチェックしてもらいD近くの教会の日曜学校のカナダから来られていた神父様に更に添削してもらい、そしてE読み方をテープにとって擦り切れるまで聞きながらF何か月も同じ文章をその子は練習したのです。

結果は、学校の英語の成績は最低に近かったのですが、見事入賞しご褒美を頂く事ができ、念願の海外に…?!

@からFの過程は子ども達の言語指導と同じです。
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話し方から指導しなければ、話す事は出来ないのです。

話す内容を知り理解する事。

話し方、言い方を教えることが大切です。

多くの場合言い方、話し方がわからないのです。

事前に必要な会話はどんな事か想定し、話し方を練習する事が最も効果的です。

優秀な小学生、中高生でも最初は単純な質問に答えるのは大変です。

誰でも難しいのです。

ペラペラと答えられるのは、ごく少数です。

そこでまず適切な答え方をまず教えるのです。

大学入試や、就活でも中心となるのは面接の対応力です。

話す事で、人となりを垣間見れることができるからです。

質問があったら、何とこたえるのか。
最終的に数百項目の質疑応答に対しての応答法を習得するのです。
大きくなれば、自分の体験や、学んだ事を整理し自分の考えとして説明することができますが、年齢が低い場合、まとめて話す力がありません。

そこで、答えを例示してあげることが大切となります。

話し方の予行演習だとお考え下さい。

応え方がわかっていれば自信を持って答える事が出来るのです。
繰り返し練習することで自身の考えとしても定着させることができるのです。

シチュエーションから、「おはようございます。」「ありがとうございます。」「こんにちは」「さようなら」と言えるのは、その場にふさわしいという事がわかっていてからの行動です。

正しい答えが判らなければ言葉が出ないのです。

現在社会において、挨拶が出来ないというのは、挨拶をするのが面倒でしていないケースと、挨拶出来ないケースにわかれ、後者の場合は状況判断が苦手だったりして結果、コミュニケーション能力の欠如と言われる事になりかねません。

事前の練習がそれらを解決するのです。

英語が大の苦手だった少年も、毎日数か月繰り返し同じ英文に取り組む事により能力を開花する事が出来たのです。

自己表現出来ない大学生が、就職活動を通じて、社会通念などを身につけることが出来るのとよく似ていると思います。

一朝一夕には力はつきませんが、時間を武器に、繰り返し指導すれば多くの力を身に付ける事が可能です。

話し方を学べば、流暢に話す事が出来るのです。

事前の準備が多くの問題を解決します。

話す内容を身につければ、それを自身の考えとして活躍の場を見出すことが可能なのです。

しっかりと時間をかけて取り組んで下さい。


ラベル:魔法の療育
posted by キー先生 at 07:00| 31.パニックと予行演習 | 更新情報をチェックする

2014年01月17日

NO31.全ては予行演習から

NO31.全ては予行演習から

知っておく事、事前に体験しておく事はとても大切です。私達大人であっても、真っ暗な穴の中に手を差し込むのは、何が出てくるか、何かに噛みつかれるかわからないので誰でも恐ろしい物です。

「全ては予行演習から」とは、いろいろな事を事前に経験しておく事に他なりません。経験には適切な年齢とそれを咀嚼する力が必要です。年齢に合わせた経験が生きた予行演習となるのです。

お店屋さん等で、御商売をされておられて、お店に顔を出しているお友達の殆どは人見知りはおこしません。人見知りの基礎要因は、初めて逢う人は怖い、何をするかわからないとう原始的な生体本能によるものであると言われています。

お店の看板娘は、沢山の人と毎日出会いますので、人見知りは起こしません。誰も悪い事はしないと体験的に知っているからです。それどころか、笑顔で挨拶すると褒めてもらえたり、御駄賃を貰えたりというご褒美がついてきますので、愛想よく振る舞う事ができるようになります。

人見知りがなくなると、人に声をかける事が出来るようになります。「いらっしゃいませ」「ありがとうございました。」という可愛い声に、「まあなんて可愛らしいんでしょう。お年はいくつ?」と会話が継続される事となります。

最初は4本指を差し出している子が、「四歳です。」「●●幼稚園の年中です。」と徐々にきちんと答えられるようになります。これも予行演習の副産物なのです。

始めての場所は緊張されませんか?私は田舎で育ちましたので初めてホテルのロビーで待ち合わせと言われたときは、ドキドキした事を覚えています。今ならどうという事のない事でも初めてはつらいのです。

子ども達も同様で、初めての場所、知らない人は怖いのです。何が出てくるかわからないのです。一番の庇護者に近いやさしそうな女性が出迎えれば幾分かなごみますが、生育環境によりそれでも駄目なお友達は泣いてしまいます。

施設に慣れて頂く為に、ちょっと遊びに来て頂く。お茶とお菓子を頂いてちょっと遊んで帰る。ちょっと机に座って何か取り組んでみる。そこで頑張った事を皆から褒められたらどんなに嬉しい事でしょう。次からは走ってやってきます。

昔、注射を打った後、飴をもらえたりするととても嬉しかったのを覚えておられませんか?

予行演習の中で、思わず笑みがこぼれるような事が起こるとその喜びを追体験したくなり注射の怖さを抑制する事も出来るのです。

沢山人がいるとパニックを起こしてしまうから、自宅で過ごすだけでは何も解決しません。少しづつ活動範囲を広げるべきなのです。最初は3人、次に5人そして8人10人の人がいる場所に出かけてみて下さい。

年齢により無理強いする必要性はないのですが、徐々にならせば沢山人がいる場所でも何ら問題なく過ごせる事は出来るのです。

これに言語習得が絡めば更に強い力となります。語彙の習得に従ってルールを理解できるようになるからです。バスはこんな乗り物なんだ。電車はこんな乗り物なんだ。最初は見るだけでも良いのです。慣れてからちょっと乗ってみれば怖くないのが判ります。

幼稚園の園バスが怖い子がいますが、それは乗っているお友達が何をするかわからない殻です。保育園や幼稚園でお友達に関われないお子様の多くは、何をされるかわからない、安心できる大人と関わりたがる傾向が出てきますが、これも少人数からスタートして徐々に人数を増やしていけば大丈夫なんだと理解し、臆することなく教室で課題に取り組む事ができるのです。

年長になった時、私共の別部門に小学校の受験指導をしている「みつば会」という組織がありますが、公開テスト会や、学校をお借りしてのテスト会の際には、必ず状況把握が出来ず泣き出してしまうお友達が出てしまいます。でも1度、2度と経験を積めば難なく一人で頑張る事が出来るのです。

急な変化が苦手であれば、急な変化をしなければ良いのです。どうなるか理解させておけばパニックは防げます。パニックにならないように、経験を積む事が大切なのです。経験を整理し、理解する為には、はやり言語能力の獲得がとても重要になります。

言語を習得し事案を整理しどのようになったか覚える力や術がなければ何度も何度も過ちを繰り返してしまいます。

普通学級への進級を望まれる場合は、特に35名という人数になれなければなりません。1クラス10名や15名では状況把握が出来ず、ちょっとした事でパニックを起こしやすくなるのです。

先生の指示を聞ける事も大切で、指示通りに行動出来れば不安も解消されるのですが、聞く力、理解する力が不足しているとどうしてよいかわからずやはりパニックを起こしてしまいます。

経験を重ねる事と並行して、言語習得に励まれて下さい。傾聴する力を養って下さい。
発語が出来ない場合は、何をおいても発語に取り組んで下さい。発語を初発にして言語能力をどんどん獲得すれば。おおよその問題を解決する事が出来るようになります。

わからなくてパニックを起こす事もありますが、一番良い選択をしようとして迷いに迷っている最中に嘲笑されて激昂したり、泣いたりしてパニックを起こす場合もあります。お子様の発達段階をよく見極めて取り組む事が大切です。

昨年、芋掘りをしましたが、芋掘りに行く前には、どんな所に行くのか、これからどのようにするのか、スコップの正しい使い方は、どうやって掘り出すか、堀たサツマイモはどうす扱うか、どんなふうに掘るのか、車の乗り降りはどうするのか、何に注意するのか等事前にしっかりと伝えておけば、その注意事項を理解し、規範に従った行動がとれるのです。

昨年実際に芋掘りに参加できたのは、言語習得が出来ているお友達で行いましたが、カエルが出てきても、ミミズが出てきても、通りの車がクラクションを鳴らしても、散歩の犬が近寄ってきても誰一人パニックは起こしませんでした。事前に現場の写真も見せておけばなお心強い物となります。

これらの経験を積めば今度は話から初めての場所を想定する事が出来るようにもなってきます。進歩と成長の上に更なる成長が待っているのです。まずは学齢に併せた予行演習から取り組まれて下さい。

予行演習とは、そこで起こる事、そこにある物を知っておく事です。何が起こりえるのか想定出来ればパニックは防げます。お母さんやお父さんと二人きりになっても泣かない事と同じです。安心できるように如何に導くかその一手間が子供の将来を左右するのです。

想定出来る力は言語能力の獲得なくしてはあり得ません。諦めず頑張って下さい。

予行演習の意味は分かっても、発語に不安がある方は093-475-0449までご連絡下さい。
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